スライディングモード制御による自動車の駆動制御
-車体速度推定に外乱オブザーバを用いた場合の駆動制御系の安定性-

概論

雪や雨など路面状況が著しく悪い場合、自動車はアクセルやブレーキを急激に踏み込むとタイヤが空転し、スリップ現象が起こりやすくなります。スリップ現象が起こると、安定性が低下し、大きな事故が起きるきっかけとなります。そこで、私たちはスリップ現象を抑えるために、電気自動車を用いて、トラクションコントロールおよびABSの研究を行っています。

駆動力はタイヤと路面との摩擦によって伝達されますが、その路面摩擦係数の変化のために、制御対象は不確かさを含みます。本研究では、路面摩擦係数を制御対象における不確かさとして、外乱オブザーバを用いて推定し、リアプノフの安定性理論を応用した非線形コントローラを適用した自動車の駆動制御について紹介します。

モデル図

実験車

本研究で使用する電気自動車実験車両です。

シミュレーション結果

シミュレーションでは,10秒まで乾いた路面で,10秒からは凍った路面でシミュレーションしています.また,15秒まで加速し,アクセルを抜いた後,25秒から減速させています.

無制御時では車輪速(青線)に車体速(赤線)が追従しておらず,スリップしていることがわかりますが,駆動制御をさせることによって,凍った路面でも安定した走行が可能となります.